ホログラフィ

位相情報によるライトフィールド記録

  • 対象パターンの認識と疑似3D画像の記録
  • 物体ビームと参照ビームの相互干渉に基づく技術
  • 単一周波数半導体レーザの技術的利点と高い自由性
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ホログラムは記録対象フィールドの位相情報を含む、光学現象を利用した写真記録です。この技術は記録された物体の完全な3次元画像を生成するために一般的に使用されます。

最も単純なケースを考えた場合、記録対象はミラーに置き換えられます。このケースでは記録された画像は暗い縞と鮮明な縞で構成される縞模様の規則的なパターンとなり、この技術を応用して多数の基板材料に格子状の構造(ex.回折格子など)を生成する直接的な方法として利用されています。これらの格子構造デバイスは波長選択性を持った機能性デバイスとしてDL proのようなリトロー型半導体レーザまたDFB/DBR半導体レーザの内部で利用されています。またファイバーレーザ 内部でも同様の目的に使用されています。

情報記録用のホログラム光学系をわずかに異なる系に変更することによりホログラム素子は様々な標準的な光学部品、すなわちミラー、ビームスプリッタ、フィルタまたはレンズの代替部品として使用することが可能です。近年盛んに研究開発が進められている拡張現実(AR) および複合現実(MR)の分野ではデバイスによってフルカラー(RGB)で提供される追加的な情報により、ユーザを取り巻く現実世界の環境が増強されたクリアなビジョンとして表現されます。

一般的によく知られたホログラムセットアップでは任意の3次元物体を使用し、ホログラムが類似のレーザ波長によって照射されることにより奥行き情報を含む擬似的な3D画像が表現されます。光が持つ波の性質のため、ホログラムのほんの一部または部分的な照明のみでも元の画像を再生成することが可能です。

現在ではホログラムデバイスを製造するために様々な異なるレーザ波長が使用されています。当初は633nmの波長を有するヘリウムネオンレーザーまたはアルゴンクリプトンイオンレーザーからの様々な波長が光源として使用されていましたが、いずれも出力の観点で技術的な制限がありました。今日では407nm、457nm、514nm、647nm、また従来は多くの技術的課題が伴ったUV/RGB波長帯域でさえ高い可干渉性を持った半導体レーザを用いて数100 mWの高出力が実現されたことによりホログラフィ用光源として最適な選択肢となっています。 特に半導体レーザの持つ高信頼性、低ランニングコストは産業向け用途に最も適しています。また古典的なレーザ光源は大型で常に固定された波長でしか利用できない欠点がありました。半導体レーザーは波長チューニングを行うことが可能なため各ユーザ毎に異なる技術的な要求に最適なレーザ光源として広く応用の幅が拡がっています。